看護師に必要なスキルとして挙げられるのが、コミュニケーション能力だ。患者をはじめ医師やその他の職種と連携をとる立場にあるため、コミュニケーション能力が乏しいとなれば、仕事はうまく回らないだろう。
特に看護師が苦労しやすいのが、患者とのコミュニケーションだ。病棟の看護師であれば、受け持ち担当をして看護ケアや医療処置などの際に患者と関わることになる。この時、入院生活のサポート、治療に必要な指導など、細やかな声かけをするのが看護師の主な業務となる。患者とのコミュニケーションが十分でない場合、信頼関係が築かれていないこともあり、クレーム等のトラブルに発展するケースもあるだろう。
患者とのコミュニケーションで大事なのがきちんと時間を取ることだ。患者とはなるべくゆっくり話す時間を持った方が良い。その際は聞く力も必要になる。相手との信頼関係を築くためには、まず共感し、じっくり傾聴することが重要だ。もちろん患者の中には、無口でほとんど話さなかったり、話すことがあまり得意ではなかったりする人もいる。そんな時、頑張って話してしまいがちだが、相手が話しやすい状況をつくり出し、なるべく患者に話してもらうようにすることが重要だ。毎回、話を聞くことに徹すれば、次第に患者も話をしてくれるようになる。
また、患者は入院することで不安を感じやすくなるものだ。看護師は患者の心のケアも仕事であるため、その不安や恐怖に寄り添うことが求められる。患者の気持ちを想像し、側でやさしくサポートしよう。心のケアが苦手な場合は、人望が厚い先輩看護師の真似からはじめてみると良い。

どんな人でも病気になってしまう可能性はあるものであり、医療従事者やその経験者が病気になって病院に行くことも当然ある。まだ職場に出てきたばかりや、ようやく新人教育を終えたところの看護師が患者として同業者を相手にしたときには、2つのパターンのどちらかになることが多い。
1つは、小さなミスや見過ごし、注意不足などがあったときに指摘を受けてしまって恥ずかしい思いをするというパターンである。職業病とも言えるほどに細かな点にまで気にかかってしまう人は多く、同業者がしっかりと仕事ができていないとなると、つい口に出してしまうことは少なくないようだ。指摘されてしまって、ようやく同業者だと気づき、恥ずかしさや申し訳なさに苛まれることになることも少なくないようだ。
もう1つのパターンとしてよくあるのが、やはりミスの指摘ではあるものの、本来やるべきことを教えてもらえて助かるというものである。どちらも同じようなことではあるが、患者側の看護師がどのような人かによって指摘の仕方に大きな違いがあり、看護に当たっている看護師が受ける印象にも違いが生じる。
どちらの場合でも、細かな点に対する指摘という点では同じであっても、指摘の仕方が批判になるか教育になるかの違いなのである。しかし、実際には患者として訪れた同業者が自分の職業を隠していることは多く、本当に目に見えてわかる失敗をしない限りはよくわからないままに終わってしまうのが通常であり、それほど心配する必要はない。どうしても気になるようだったら、この患者さんと信頼関係を築くには・・・?というサイトを読んでおくといいだろう。